不倫(レンタル)
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理解しがたきものは。 |
最後のほうで、不倫相手カスミが主張する理想の恋愛は、某対談でリリー・フランキー氏が語っていたものに酷似しています。
「東京タワー」で泣いて、(拒否反応を示さずに)エッセイを楽しんで、次に読むものがない方、ぜひご一読を。
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エッセイのほうが・・。 |
姫野カオルコはエッセイのほうがおもしろいのかもしれません。
この『レンタル』は、ストーリーはともかく、「古い」のです。
なんだか、登場人物のせりふも「古い」。
特に、ラストは体の力が抜けるくらい「古い」。
古典的な「古さ」ではなく、中途半端に恥ずかしい時代性を感じさせる「古さ」なのです。
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娯楽「私小説」 |
こういう内容の作品を「私小説」と言いきってしまうのは気がひけるのですが、でも、後書きで作者本人もそう書いているので、あえてそう書きますが、こんなに面白い私小説を読んだのは、ほとんど色川武大さんの「離婚」以来かもしれません(歳がバレる)。
作品中にも、主人公はSF大賞出身、というギャグが出てきますが、私小説と言っても、発想はむしろSF的で、「美人なのに30過ぎで処女のポルノ作家が不倫をしたらどうなるか」みたいなプロットに、どうリアリティを持たせるか作者の腕の見せ所、ただ、そのディテールがあまりに生々しいところが、わずかに「私小説」を感じさる、というような作品です。実際、新井素子さんを思わせるような文体や、かんべむさしさんそっくりのギャグが出てきたりします。
「私小説」というと、選民意識の強い主人公が、勝手なことをほざきまくったり、勝手に自滅して自慰的ナルシズムに浸ったりというようなイメージが強いのですが、本書の場合、ハゲでワキガで「フランス式」のしゃべり方しかできないバカ男と不倫関係になり、付き合っているうちに「愛は盲目」「あばたもエクボ」みたいになるかと思えばまったくそんなことはなく、相手をバカだと自覚したまま付き合い続ける、そういうみょーな割り切り方をする主人公に対する突き放した視点があり、そこが他のナルシスト的な私小説と一線を画すところで、本書を娯楽小説として読むに耐えるものにしています。
もちろん、この小説からフェミニズム的な思想を読み取る、ということも十分可能だとは思うのですが、そういう「フランス式」のことをゴシャゴシャ書くより、ただ「面白かった」と言う方が、この作品にはふさわしいと思いました。
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笑える! |
いやあ、笑わせてもらいました。主人公にしちゃあ笑い事じゃない、悲しい話なんだけど、おかしくておかしくて。それに一作品としてのまとまりが素晴らしいですよね。ストーリーはちゃんと進んでいくけど登場人物の性格にもリアルな一貫性がある。プロの仕事だな、と思いました。
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彼女らしい本です。 |
不倫をレンタルとするところが、いい。
姫野カオルコさんらしい、思想のきちんと貫かれている本です。
他の姫野カオルコさんの本が好きな人にはオススメです。



